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四国霊場八十八ヶ所巡礼

〜歩き通しうち 1300キロの旅〜

2018年 9月12日〜10月25日

四国霊場八十八ヶ所巡礼

1300キロの四国巡礼通しうちの一日目が無事終わりました。午前6時に徳島市内から歩きはじめ、一番札所霊山寺、六番札所まで歩き、着いたのが17時前だったので10時間程歩いたことになります。お大師様が歩かれたこの道を今こうして自分も歩かせて頂いている、日常から離れ修行できる有り難さをひしひしと感じることでした。人は一人になると必ず自分以外のことや人を思うものです、今の自分に最も必要な時間だと思います。一歩一歩、一日一日をかみしめて、踏みしめて歩みます!

9月14日は四国お遍路でも最大の難所といわれる十三番札所に焼山寺へ朝から向かいました。険しい山々をひたすら登ること六時間、やっとの思いで十三番札所焼山寺に参詣。かなり修行させて頂きました。ほんとにキツかった。でもその登っていく中でほんとに色々なことを考えさせられました。今の自分のこと、家族のこと、仕事のこと・・・どれをとっても今の自分がもっと成長することが何事にも通じること。。。そんな思いが日常ではそうでてこない愚かな自分です。自分はこういった修行をやらされてはじめて一人前なのでしょう。

9月17日、一八番札所、一九番、二〇番と向かいました。疲れ果て、信号で杖にもたれながら情けない状態でいるとどこかで見ているのか私に寄ってきてお菓子をお接待。コンビニで休憩も終わって歩き出すと待ち伏せしてくれたかのように小銭を渡し「ジュースを飲みなさい」と頂き、お接待用の休憩椅子に座っていると近所にお住まいというおばあちゃんから手づくりのポケットテッシュケースを「使いなさい」と頂き、もう20年ここでお遍路さんのお接待をしてきたという貴重なお話しを聞かせていただいたり、たくさんのお接待を頂いています。ほんとにありがたい、というのも軽々しいと思うくらい感謝の気持ちでいっぱいになります。

気づかされます、「あー、自分はこうやって日頃から沢山の皆さんに支えられてきてるんだな」と。。日頃見えないところが急に心に染みてきます。道には彼岸花が咲き出しほっとさせてくれます。

四国霊場八十八ヶ所巡礼

 

10月2日 三十七番札所岩本寺まできた昨夜は宿坊にお世話になりました。朝の勤行でご住職さんが「修行は無理して無理せずです」という法話をされました。

21日目になる四国巡礼ですが身体ができてきたのか一日30キロを普通に歩けるようになりました。

しかし、早く次に行くことばかり考えて無理するとその先にシワ寄せがきてしまいます、つまり身体逆に壊してしまう。だからといってグダグダとしてもいけない。そのさじ加減大事だと私も感じていた矢先にこのご法話でした。

日々、できる範囲だけで行いをするのではなく、もう一歩の努力、しかしながらそれがいきすぎた身勝手な行いになってもいけない。。。この修行を通して日頃からの行いも同じだと言うことを度々気づかされます。

10月6日 四国巡礼は二十日間を過ぎ札所間最長の距離87キロである足摺岬の金剛福寺へ、そして折り返して三十九番札所延光寺をうちました。秋雨前線と台風の関係で雨と風の中できびしい修行になりました。

札所の距離が長く納経時間に間に合うように早く歩くのですが天候と足の痛さで進まない。。。(汗)思いついたのが走ることでした。荷物を背負っていたのもあり走る発想が無かったのですが走ってみると意外と走れる!もちろん、オヤジ小走りですよ!普段、走ることをやっていたことがここで活きたのです。

「何事もできないではなく、やれるためにはどうするか考えやってみること、そんなことを改めて学びました。 感謝

10月14日 四国巡礼をはじめてちょうど一カ月になりました。一番札所から歩き遍路通しうちできて現在地愛媛県松山市です。この一カ月毎日10時間30~40キ口歩いていると身体と心が対応しているようで出発前では考えられない感覚がついてきます。目に見えない心のつよさが身体を支配していることが実感できるのです。そして人間は必ず順応していき変化するということ、だから自分をあまやかしてはいけないということ。それらを実践して行く中で物事の本質に気づいていくことです。お大師様がこういう修行をされていたということの意味がほんの一瞬だけ実感できる瞬間があります。 感謝

三十七日六十番札所横峰寺〜三十九日目六十六番札所雲辺寺の難所をうち香川県観音寺市に入りました。七月の豪雨災害、八・九月の台風でへんろ道は荒れており危険を伴う場面もありました。しかし、山中、誰もいない中でとにかく進まなければならない!

お遍路は観光地化しているようですが歩き遍路はちょっと感覚が異なります。そして、四国巡礼もいよいよ満願が見えてきました。明日はお大師さん生まれ故郷善通寺市まで行します。

10月23日 結願が近づいてきました。9月12日にはじまった四国巡礼、ここまでこれて今思えばあっという間の45日間、当初は気が遠くなる道のりでした。

「1300キロの道のりを自分の脚だけで突き進みましたがそれは多くの皆様からの応援があったからだと思っています。それは全てが繋がっている、ということが実感できます。人は少しうまくいけばそういった感謝する気持ちを忘れがちです。困難に出くわしそれまでの有難さに気づきます。そしてさらにがんばれる自分になれる。。。そしてそれは全てが繋がっているんだと気づきました。全ては一体、だから自分さえ良ければいい、今さえ良ければいい、というつまらない考えはまたふりだしに戻される、自分に返ってくる、つまり進めない成長しないということ。お大師さまが行じた四国の道、同じ道を歩ませて頂いたこの自分がいることはまさに奇跡だけどそれも繋がっていたのだと思えるのです。

あるのは感謝、感謝、感謝、そしてこれからの自分がどうあるべきか、自分もつなげていかなければと思うのです。

四国霊場八十八ヶ所巡礼

皆様のおかげさまで10月25日に 「八十八番札所へ着き、翌日高野山へ 行き無事結願致しました。 ありがとうございました。

沙門 寛浄

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